(2024-09-16 タイトルや文中のモデル表記をC50STからC50Ssに変更しました。2002年以降に発売されたスーパーカブストリートのC50ST2とモデル名が紛らわしいので)
2020年5月に中古で購入した1996年製スーパーカブ50 スタンダード C50Ssなんですが、最近どうも燃料コックが汚れていたりガソリン臭かったり、どうやら燃料が漏れている様子。
フューエルホースは経年変化で硬化しており燃料コック接続部から漏れているようにも見えた。とりあえず手元にあった針金でかなり強固に縛って様子を見ることに。
翌日、ホースは乾いており接続部からの漏れは止まったようだ。しかし燃料コック底面を触ると湿っている感触。OFF側にしていたコックのレバーには今にも滴り落ちそうな液体が!
ホース接続部からの漏れだとしても燃料コックレバーからしずくが落ちるとは思えないので、燃料コックからも漏れているようだ。調べると内部パッキン摩耗の疑い。パッキンだけ交換できるようにはなってないのでコックごと交換しないとダメ。パーツリストを確認してみるがキャブレターのフロート室より下のASSYはあるがコック単体では純正品番が載っていない。
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ネットで検索してみると、CT110用の燃料コックは単体でパーツナンバーが設定されておりC50Ssとも適合するとの情報。困ったときのみんカラ様であります。
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燃料コック交換のためにはホースを抜かないといけないが、ホースプラグなど持ってないので一旦ガソリンを全て抜くことにする。携行缶も持ってないのでPETボトルへ。一時的な利用なら大丈夫らしい。
燃料コックをリザーブ(RES)側にし、キャブレターのドレンネジ?を緩めてオーバーフローチューブ経由でタンクのガソリンを抜く。
燃料コックからホースがなかなか抜けなかったので、ホースをつけたまま燃料コックごと上下のプラスネジを回してキャブレターから取り外す。燃料コックOリングには破れや潰れなどの変形は見られず。ということはやはり燃料コック内部の問題のようだ。
フューエルストレーナーも確認してみる。燃料コックがあったところのすぐ奥にあるので17㎜のソケットでカップを開封。なんか錆らしきものが大量にあるぞ。
タンク内は給油口から見る限りでは錆もなく綺麗。スネークカメラが無いので確認できないが、天板の裏側が錆びている可能性もあるのだろうか? しかし今まで1度もタンク内に異物を見たことはない。よくよく考えるとこのカブは中古購入時の段階で純正のキャブレターPB77C Bではなく、同時期のリトルカブ用キャブレターとして採用されていたPB3BAが取り付けられている。
憶測ではあるがこういう説を考えてみる。元のC50Ssのキャブレターが何らかの原因で使用できず、リトルカブのキャブレターを移植。ただしそのリトルカブはタンク内のサビが酷く、ストレーナーキャップの清掃も不完全だった……。
ストレーナーの清掃も終わりカップを戻そうとしたがカップに付いていたパッキンが潰れて変形している。再使用は出来そうにないので、取り外した燃料コックのOリングが同サイズで状態も良かったので流用。今後漏れたら考えよう。実測だと外径23.4mm、内径18.4mm。ということは厚みは2.5㎜? これ単体で部品も出そうだが純正品番を調べきれず。パーツリストにはガスケットセットとして「16010-GB4-013」と記載されていますが、現行の品番だと16010-141-305 [Amazon] の模様。このセットはフロートチャンバーのガスケットも入っているので、燃料コックのガスケットだけでいいということならフューエルストレーナーカップ用のガスケット「16040-KEV-900」が使えるかもしれません。(未購入)
まぁ耐ガソリンでサイズが合いそうなOリングぐらいホームセンターでも入手そうですが。
購入した燃料コックには取り付けネジ2本とOリング1個付いています。前面プレートの形や内部構造が若干違うものの、取り付けネジ間隔やフューエルホース接続部などは同一です。
燃料ホースが緩い(内径が広がってしまっている)ので末端20㎜ぐらい切断して接続。ホース接続時に注意する点としてプライマリとリザーブのホースを逆につけないように! コック上部側にリザーブ、下側にプライマリのホースを接続。
数日様子を見てみましたが、燃料コックレバーが濡れるようなことはなくなりました。ただ若干フューエルホース接続部が湿っているような…?とりあえず再度針金で縛ってみると接続部からの漏れも収まりました。やはりホースも新しいものに変えるべきでしたな。あと画像でもわかるように燃料コックすぐ上のフロートチャンバーの合わせ面が錆びたように赤くなっていますが、これどうやら合わせ面からガソリンが漏れてる証拠らしい。ガスケットセット買って交換しないとダメだな!
おまけ 燃料コックを分解して内部を確認
分解して内部の状況を確認してみましょう。前面プレートはネジではなくカシメられているのでドリルで揉んでやって頭の部分を飛ばします。前面プレートを外すと皿バネというかウェーブスプリング的なものが。
コックレバーの内側には穴の開いたパッキンがあり、レバーを動かすとガソリンの流路が変わってプライマリ、OFF、リザーブを切り替えてるわけですな。そしてそのパッキンが欠けたように荒れている。ガソリンに混入した錆がレバー部分に詰まり、レバー操作時にパッキンを削ってしまったのでしょうか。あとパッキン自体が硬化し痩せているようにも見えます。
ネット上ではパッキンを交換しタップでネジ溝を刻み、ネジで固定してコックを修理している人もいました。
スゴイ。私はタップも持ってないし内部パッキンの純正品番がわからないので燃料コックごと交換したのでした。この硬化して縮んだ内部パッキンを計測してみたところ、外径約16㎜、厚さ2.5㎜、穴径3㎜~3.5㎜でした。参考にどうぞ